子どもの開咬(かいこう/奥歯を噛んでも前歯が閉じない)
開咬は、奥歯を噛み合わせても上下の前歯の間にすき間が残り、前歯で噛み切れない状態です。日本人の子どもでの発生頻度は、ほかの不正咬合に比べると高くはありませんが、機能面への影響が大きい噛み合わせとして、歯科では重要視されています。
監修: 中村 彩華(院長) / 公開日: 2026-06-14
開咬について
開咬とはどのような状態か
開咬は、奥歯を噛み合わせても上下の前歯の間にすき間が残り、前歯で噛み切れない状態です。日本人の子どもでの発生頻度は、ほかの不正咬合に比べると高くはありませんが、機能面への影響が大きい噛み合わせとして、歯科では重要視されています。
なぜ開咬が起こるのか
開咬には、あごの骨格に原因があるもの(骨格性)と、歯の位置や傾きによるもの(歯性)があります。骨格性の開咬には遺伝的な要因が関わることが多いとされています。一方で、指しゃぶりやおしゃぶりなどの非栄養的吸啜癖(栄養摂取を目的としない吸う癖)、舌で前歯を押す癖、口呼吸、飲み込むときの舌の使い方などが続くことも、前歯が閉じない原因になります。系統的レビュー・メタ分析でも、これらの癖と前歯部開咬との関連が示されています。どちらが主な原因かは検査で確かめる必要があり、癖が関わっている場合は、早めに習慣へ働きかけることが大切です。
放置すると将来どうなるか(最も大切な点)
開咬を放置することの問題は、見た目だけではありません。前歯で噛み切れない状態が続くと、飲み込み方(嚥下)や発音が、すき間を補うための誤った癖として身につき、長期化すると定着して、後から改善するのに苦労します。さらに、前歯で噛めない分、奥歯に過剰な負担が集中し続けるため、奥歯を早く失いやすくなります。実際に、8020達成者(80歳で20本以上の歯を保つ方)の噛み合わせを調べた調査では、達成者の中に開咬や反対咬合の人は含まれていなかったと報告されています(竹内史江ほか「Dental Prescaleを用いた8020達成者の咬合調査」歯科学報, 2005年)。自分の歯でしっかり噛めることは、生涯にわたる食事の質、ひいては健康寿命に関わります。前歯で噛み切れない状態は、食べられるものが限られて偏った食事につながることもあります。
だからこそ、早めの改善を
開咬は、悪い癖が定着する前、そしてあごの成長を活かせる早い時期に介入することで、お子さまの負担を抑えながら整えやすくなります。原因となる癖が早い段階で改善されれば、成長期の子どもでは自然に改善する場合があることも報告されています。様子を見ているうちに誤った癖を定着させてしまわないよう、早めに状態を確認することが大切です。
当院の考え方
当院では、開咬を「前歯のすき間」としてではなく、その原因となっているお口の使い方(舌・指・呼吸・嚥下)から捉え、トレーニングと組み合わせて、誤った癖が定着する前に噛み合わせを整えていきます。将来、ご自身の歯で食事を楽しめるお口を育てることを目指します。
※治療の必要性・経過には個人差があります。
- 装置装着中に違和感を感じることがあります
- 決められた装着時間を守れない場合、十分な効果が得られないことがあります
- 正しく装着し、トレーニングと組み合わせることで後戻りを起こしにくい矯正方法ですが、成長に伴う習癖の出現等で後戻りを起こすこともあります
- 装置には様々な種類がありますので、自己判断での使用はお控えください
※効果には個人差があります
- Association between Non-nutritive sucking habits and Anterior open bite: a systematic review and meta-analysis. BMC Oral Health (2025)
- Prevalence of anterior open bite in children and adolescents: a systematic review and meta-analysis. (PubMed 34767190)
- Effectiveness of the open bite treatment in growing children and adolescents. A systematic review.
- 竹内史江, 宮﨑晴代ほか「Dental Prescaleを用いた8020達成者の咬合調査」歯科学報 105(2):154-162, 2005年
※ 参考文献は一般的な医学的知見の説明として掲載しており、当院の治療効果を保証するものではありません。
開咬の症例(経過記録)
※掲載は患者さま(保護者)の同意を得た症例です。効果には個人差があります。
開咬についてよくあるご質問
ご相談・カウンセリングは無料/LINEでもお口の写真を送って無料で相談できます
無理におすすめしません / 相談だけでも歓迎 / 費用は事前にご説明

