小学校高学年になって八重歯が目立ってきた、前歯の重なりが増えてきた、学校の歯科健診で歯並びを指摘された。10〜12歳で気づいたときに、今からでも間に合うのか、子どもの矯正と大人と同じ矯正のどちらになるのか、費用と期間はどう変わるのかを、当院の進め方に沿って説明します。
10〜12歳でも、遅いとは限りません
今から始めて間に合うかどうかは、年齢ではなく、犬歯や小臼歯の生え替わりがどれだけ残っているか、あごの成長がどの段階にあるかで変わります。
- 犬歯・小臼歯の生え替わりが多く残っていれば、マイオブレース(年長向けの装置)を中心に進めることがあります。
- 歯の重なりやねじれが大きいとき、抜歯が必要になりそうなときは、マウスピース矯正やワイヤー矯正への切り替えを検討します。
- 骨格の差が大きい受け口・出っ歯は、成長が落ち着くまで経過を見ることがあります。
日本人の子ども30,825人を調べた日本小児歯科学会誌の報告では、永久歯が生える時期には幅があり、女子のほうが早い傾向でした。犬歯は男子でおよそ9〜12歳、女子で8.7〜11.4歳、小臼歯は男子でおよそ9〜13歳、女子で8.9〜13.1歳の範囲で生えています。10〜12歳は、これらの歯の生え替わりがまだ残っている子が多い時期です。ただし、この範囲からお子さま一人ひとりの生え替わりを予測することはできないため、実際の状態は診察で確認します。
何歳ごろ相談するとよいかの目安は小児矯正は何歳から相談する?で説明しています。ここでは、10〜12歳で気づいた場合に選べる方法と、その選び方を中心にお伝えします。
10〜12歳の歯とあごに起きていること
前歯に続いて、その奥の犬歯と小臼歯が生え替わっていく時期です。生え替わりが進むにつれて、歯の重なりや八重歯、出っ歯、受け口がはっきりしてきて、ご家族が初めて気づくこともあります。
見た目が同じ出っ歯でも、原因は前歯の傾きだけのこともあれば、上あごや下あごの位置によることもあります。日本小児歯科学会は、遺伝のほか、指しゃぶり、舌のくせ、唇を噛むくせもかかわると説明しています。どの方法が合うかは原因によって変わるため、歯並びの写真だけでは決められません。
取り外し式の装置で下あごに働きかける効果は、思春期前より思春期の成長期に使ったほうが大きかったという研究のまとめがあります(Perinetti ほか、2015年。研究の質にはばらつきがあります)。ただし成長期に入る時期は年齢だけでは決まりません。受け口は、子どものうちに治療しても長い目で見た効果ははっきりしておらず、経過を見る期間が長くなります。
日本矯正歯科学会は、矯正治療はある程度分別のつく年齢からが好ましいとしています。家で装置を着ける時間が長い治療では、お子さま本人が目的を理解して続けられるかどうかも、方法を選ぶときの大切な材料になります。
この時期に選べる方法と、それぞれの限界
| お口の状態 | 考える方法 | 担当 |
|---|---|---|
| 犬歯・小臼歯の生え替わりが多く残っている | マイオブレース(年長向け)を中心に、お口の使い方のトレーニングと組み合わせる | 中村 彩華院長 |
| 前歯の並びを短期間で補いたい | 上記にBWS(マイオブレースと併用するワイヤー装置)を2〜4か月併用する | 中村 彩華院長 |
| 重なり・ねじれが大きい、抜歯が必要になりそう | マウスピース矯正(インビザライン)またはワイヤー矯正への切り替えを検討する | マウスピース矯正は中村 彩華院長、ワイヤー矯正は由井 靖子医師 |
| 骨格の差が大きい受け口・出っ歯 | 成長が落ち着くまで経過を見る。手術が必要な場合は東京科学大学へ紹介する | 診察で判断 |
マイオブレース(年長向け)とBWS
マイオブレースは取り外し式の装置で、製造元は年長向けのシリーズを、永久歯が生えそろっていく時期向けとしています。当院での装着は日中1時間と就寝時が基本で、学校に着けていく必要はありません。家での続け方はマイオブレースを家で続けるためにで説明しています。
前歯の並びを短い期間で補いたいときは、BWSを2〜4か月併用します。製造元は、年長向けの装置の一部をBWSと組み合わせ、歯列を広げるのを助ける装置と説明しています。
限界もあります。出っ歯の子どもでは、前歯の出っ張りの改善量がマイオブレースよりツインブロックという別の装置のほうが大きいという研究のまとめがあり、マイオブレースだけで足りるかどうかは状態を見て判断します。抜歯をせずに進められることが多いものの、すべてのお子さまで抜歯を避けられるわけではありません。
マウスピース矯正・ワイヤー矯正へ切り替える場合
歯の重なりやねじれが大きいとき、抜歯が必要になりそうなときは、大人と同じマウスピース矯正やワイヤー矯正への切り替えを検討します。マウスピース矯正は中村 彩華院長が、ワイヤー矯正は日本矯正歯科学会 認定医の由井 靖子医師が担当します。由井医師の診療日は火・金・土のいずれかで、曜日は固定ではありません。方法と料金はマウスピース矯正とワイヤー矯正のページで、2つの違いはマウスピース矯正とワイヤー矯正の比較でご覧いただけます。
※インビザラインは、薬機法上の承認を受けていない医療機器です。入手経路・国内承認品の有無・諸外国の情報・救済制度については、各治療ページの「未承認医療機器について」をご覧ください。
骨格の差が大きい受け口・出っ歯
あごの骨の差が大きい場合は、今すぐ装置を始めるのではなく、成長が落ち着くまで経過を見ることがあります。日本矯正歯科学会も、受け口は成長の見通しが立つまで経過を追う必要があるとしています。あごの手術が必要と判断した場合は、東京科学大学へ紹介します。当院は顎口腔機能診断料の届出をしていないため、手術の前後に行う矯正を当院で保険診療として受けることができないからです。
当院での進め方
- 1
初回相談(無料)
お口の写真と診察で、生え替わりの状態、歯の重なりやねじれ、噛み合わせを確認します。必要なときはパノラマレントゲンを撮影します。
- 2
方法の提案
マイオブレースを中心に進めるか、BWSを併用するか、マウスピース矯正やワイヤー矯正に切り替えるか、経過を見るかを説明します。精密検査が必要な場合、その費用は相談時にご説明します。
- 3
治療中の通院
月1回の診察で、装着の状況、お口の写真、むし歯の有無を確認します。3か月に1回はフッ素とクリーニングを行います。月1回の診察はオンラインでも受けられます。
- 4
2期治療や紹介が必要になったとき
1期治療の後にワイヤー矯正などの2期治療が必要になることや、成長を見たうえで東京科学大学への紹介が必要になることがあります。その時点で改めて方法と費用を説明します。
10〜12歳で治療を受けたお子さまの症例
- 10歳・叢生(歯の重なりが気になる):マイオブレース(K1B、K1L)/期間 約1年半/初期費用 385,000円(税込)/別途 調整料 月5,500円(税込)。治療当時の費用です。
- 11歳・叢生・過蓋咬合(歯並びが気になる):マイオブレース(BWS+T1L)/期間 約4か月/初期費用 517,000円(税込)/別途 調整料 月5,500円(税込)。治療当時の費用です。BWSのモニター価格(現在は廃止)を含む費用で、現在の料金とは異なります。
- 11歳・歯列不正(前歯が横に並んで平らに見える):マイオブレース(K1L)/期間 約半年/初期費用 385,000円(税込)/別途 調整料 月5,500円(税込)。治療当時の費用です。
- 12歳・叢生(右側だけ八重歯):マイオブレース(BWS+T1L)/期間 約6か月/初期費用 517,000円(税込)/別途 調整料 月5,500円(税込)。治療当時の費用です。BWSのモニター価格(現在は廃止)を含む費用で、現在の料金とは異なります。
※掲載は患者さま(保護者)の同意を得た症例です。効果には個人差があります。※治療途中の経過記録です。最終的な状態を示すものではありません。4件ともマイオブレースによる治療で、マウスピース矯正やワイヤー矯正に切り替えた症例ではありません。期間はそれぞれの記録で、平均的な期間ではありません。主なリスク:装置による違和感、装着状況や成長に伴う治療期間・経過の変動、後戻りなどが生じることがあります。症状ごとの症例は、歯の重なり(叢生)、深い噛み合わせ(過蓋咬合)、出っ歯(上顎前突)、受け口(反対咬合)、年齢別の一覧は小児矯正の症例一覧でご覧いただけます。
ご相談・カウンセリングは無料/LINEでもお口の写真を送って無料で相談できます
無理におすすめしません / 相談だけでも歓迎 / 費用は事前にご説明
費用・期間・リスクと、相談するときのこと
マイオブレースで進める場合の費用は、初回相談・カウンセリング無料、初期費用385,000円、診察料 月5,500円です。約2年・診察24回で計算した費用例は517,000円、実際にかかることが多い2年半〜3年(診察30〜36回)では550,000円〜583,000円です。BWSを併用する場合は165,000円と、調整料 月5,500円が加わります。装置の交換が必要になったときは1個38,500円です(すべて税込・公的医療保険適用外の自由診療)。きょうだいで治療を始める場合、2人目以降のお子さまは費用から1万円を割引します。内訳と追加費用がかかる条件は小児矯正の費用・診察料・追加料金で説明しています。
マウスピース矯正やワイヤー矯正に切り替える場合の費用は、小児矯正(マイオブレース)の料金とは別に、相談時に金額と内訳をご説明します。マウスピース矯正の費用、ワイヤー矯正の費用、大人の矯正のページをご確認ください。1期治療の後に2期治療(ワイヤー矯正など)が必要になった場合の割引制度があり、内容は相談時にご説明します。
期間は、お口のくせを改善する目標として約2年を目安にしていますが、月1回の通院で実際にかかることが多い期間は平均2年半〜3年です。BWSを併用する期間は2〜4か月です。装着時間やトレーニングを続けられない場合は十分な効果が得られないことがあり、成長に伴ってくせが再び出ると後戻りすることもあります。
学校歯科健診で指摘を受けた場合は、その用紙をお持ちいただくと相談の助けになります。相談した日に治療を決める必要はありません。診察の結果、方法、期間、費用を聞いたうえで、お子さま本人とご家族で検討してください。受験や部活で忙しくなる時期と重なる場合も、装置は家で使うもので、月1回の診察はオンラインでも受けられることを前提に、続けられるかどうかを一緒に考えます。
治療内容・費用・期間・リスクについて
- 治療内容
- マイオブレース(取り外し式の装置。10〜12歳では年長向けを使うことがあります)と、お口の使い方を練習するトレーニングを組み合わせる小児矯正です。前歯の並びを短期間で補う場合は、BWS(マイオブレースと併用するワイヤー装置)を併用します。マウスピース矯正・ワイヤー矯正へ切り替える場合の治療内容と費用は、相談時にご説明します。経過観察となる場合もあります。
- 費用(税込)
- 初回相談・カウンセリング無料/初期費用385,000円/診察料 月5,500円/マウスピース交換 1個38,500円/BWS 165,000円/BWS調整料 月5,500円。費用例517,000円(約2年・診察24回)、実際にかかることが多い2年半〜3年(診察30〜36回)では550,000円〜583,000円です。交換とBWSは必要な場合のみ加わります(すべて税込・公的医療保険適用外の自由診療)。切り替える場合の費用はマウスピース矯正の費用・ワイヤー矯正の費用をご確認ください。
- 治療期間・回数の目安
- お口のくせの改善の目標期間は約2年、月1回の通院で実際にかかることが多い期間は平均2年半〜3年です。BWSを併用する場合は2〜4か月。診察は月1回(来院またはオンライン)。期間には個人差があります。
- 主なリスク・副作用
- 装置の装着中に違和感を感じることがあります。決められた装着時間やトレーニングを守れない場合、十分な効果が得られないことがあります。成長に伴うくせの再発などで後戻りすることがあります。すべてのお子さまで抜歯を避けられるわけではなく、1期治療の後に2期治療(ワイヤー矯正など)が必要になることがあります。マウスピース矯正・ワイヤー矯正では、健康な歯を抜くことや、治療後に保定装置が必要になることがあります。効果には個人差があります。
よくあるご質問
- Q. 本人があまり乗り気ではありません。それでも相談してよいですか?
- A. 相談はできます。マイオブレースは家での装着とトレーニングが中心のため、本人が続けられるかどうかも方法を選ぶ材料になります。装着時間や通院の頻度を聞いたうえで、ご家族で検討してください。
- Q. ほかの歯科医院で「大人になってから矯正すればよい」と言われました。相談できますか?
- A. できます。初回相談・カウンセリングは無料です。出っ歯については、思春期に取り外し式の装置で治療しても、治療しない場合より前歯の出っ張りが減ったという研究のまとめがあります(Cochrane、2018年)。骨格の差が大きい場合は、当院でも成長が落ち着くまで経過を見ることをご提案する場合があります。生え替わりの状態によっては、今から始められる方法があるかを確認します。
- Q. 抜歯が必要になりますか?
- A. マイオブレースは抜歯をせずに進められることが多いものの、すべてのお子さまで避けられるわけではありません。歯の重なりが大きく、抜歯が必要になりそうなときは、マウスピース矯正やワイヤー矯正への切り替えを検討します。
- Q. 保険診療で受けているお口の機能の管理と、マイオブレースを同時に進められますか?
- A. 同じ期間に並行して受けることはできず、どちらかを選んでいただきます。いま保険診療で管理を受けている場合は、相談のときにお伝えください。
- Q. マウスピース矯正に切り替える場合、子ども向けの料金になりますか?
- A. 切り替える場合の費用は、小児矯正(マイオブレース)の料金とは別に、相談時に金額と内訳をご説明します。1期治療の後に2期治療が必要になった場合の割引制度があり、内容は相談時にご説明します。
- Q. 治療が終わった後に、また歯並びが乱れることはありますか?
- A. あります。成長に伴ってくせが再び出ると、後戻りすることがあります。マウスピース矯正やワイヤー矯正に切り替えた場合は、日本矯正歯科学会も説明しているとおり、治療後に歯並びを保つ保定装置が必要になります。終わった後の通院と費用は、始める前の相談でご確認ください。
小児矯正の治療内容と料金の全体は、志木の小児矯正でご覧いただけます。
ご相談・カウンセリングは無料/LINEでもお口の写真を送って無料で相談できます
無理におすすめしません / 相談だけでも歓迎 / 費用は事前にご説明
参考文献・出典
- 有田憲司ほか(日本小児歯科学会)小児歯科学雑誌57(3)(2019年)(2026年10月10日確認)。日本人小児4〜18歳30,825人の調査で、犬歯・小臼歯が生える時期の幅と男女差の出典です。
- 公益社団法人 日本小児歯科学会「こどもたちの口と歯の質問箱(小学校高学年)」(公開年記載なし、2026年10月10日確認)。出っ歯の原因が一つではないことの出典です。
- Perinetti G ほか PLoS ONE 10(10)(2015年、システマティックレビュー・メタ解析)(2026年10月10日確認)。取り外し式の機能的装置の下あごへの効果が、思春期の成長期で大きかったことの出典です。
- Cochrane Database of Systematic Reviews CD003452(2018年)(2026年10月10日確認)。子どもの出っ歯に対する早期治療と思春期の治療を比べた研究のまとめです。
- Owens D ほか Cochrane Database of Systematic Reviews CD003451(2024年改訂)(2026年10月10日確認)。子どもの受け口の治療直後の改善と、長期の効果が不確実であることの出典です。
- Cen Z ほか Australasian Orthodontic Journal 41(1)(2025年、システマティックレビュー・メタ解析)(2026年10月10日確認)。出っ歯に対するマイオブレースと従来の機能的装置の改善量の違いの出典です。
- Myofunctional Research Co.「Myobrace for Teens」製品ページ(英語、公開年記載なし)(2026年10月10日確認)。年長向けシリーズの対象と、BWS(製造元表記 Farrell Bent Wire System)と組み合わせる装置の説明の出典です。
- 公益社団法人 日本矯正歯科学会「矯正歯科治療について」(2020年公開・2024年更新、2026年10月10日確認)。治療を始める年齢の考え方、受け口の経過観察、抜歯と保定装置の出典です。
10〜12歳での方法の選び方、担当医、東京科学大学への紹介、通院の内容、期間の目安と料金は、当院の診療方針と院の価格表(2026年2月〜)にもとづきます。症例は患者さま(保護者)の同意を得たものです。個々の治療方法と期間は、生え替わりとあごの成長を診察したうえで判断します。
10〜12歳で矯正を考えるときの関連ページ
この記事の監修

中村 彩華院長
お口から、お子さま・ご家族の健やかな成長を支えます。
担当分野: 小児矯正・マウスピース矯正・口腔機能・小児歯科
- 広島大学歯学部 卒
- インビザライン矯正認定医
- 日本小児歯科学会 正会員
- 日本口腔筋機能療法学会 正会員
- 口育協会認定士
- 日本睡眠歯科学会 正会員
- 一般社団法人 Smart Dental Vision 理事長
公開日: 2026-10-10/ 監修: 中村 彩華(院長)
ご相談・カウンセリングは無料/LINEでもお口の写真を送って無料で相談できます
無理におすすめしません / 相談だけでも歓迎 / 費用は事前にご説明

